キリのいいところがなかったんだ…。
あとお気づきかと思うのですが、呪文の詠唱にルビはふっていません。
読めなかったらイメージで;;
かくいう自分ももう読めない呪文がいっぱいです…orz
――そして――たどり着いたところは川の上流――森のようになっている木々の間を抜け、ちょうどある程度開けている岩場の上に、奴――いや、奴らはいた。
あたし達の気配に気付いた奴らは雄叫びを上げるのを止め、ゆっくりとこちらの方を振り向いてくる。
あれは――
――レッサー・デーモン――
しかもその数が意外と多い。暗いせいではっきりとは見えないものの、だいたい5、6体はいるであろう。
「ちょっ……何だってこんなところにレッサーデーモンなんかがいるのよ!」
「知らないわよっ!
でもさっきからの声はこいつらが原因だったっていうのはよくわかったわ。
とんでもないモン呼び寄せてくれたわね。ナーガ」
「ちょっとリナ!言っておくけど、断じてわたしが呼び寄せたわけじゃないわよ!」
またまた口論を始めるあたし達。もちろんデーモン達は無視。
そんなあたし達の気迫に一瞬気圧されていたようだが、実際デーモン達にとってそんな事は関係なく、その一瞬の間をおいてからすぐに攻撃を仕掛けてきた。
上方にいる奴らから数本の炎の矢があたし達に向かって降り注ぐ!
だが――口論をしているからと言って警戒を怠るようなあたし達ではない。
こうなる事はある程度予想済みである。
どごおおおおおおおん。
あたし達はそれぞれ逆の方向に避け、体勢をととのえる。
そして衝撃での音が無くなってから、なおもお互いに言い合いをを始めようとしたその時――
あたしの視界の隅に入ってきたのは、これまた数本の炎の光。
――なっ!
「うわっきゃああああ!」
思わぬ方向から飛んできた炎の矢から、あたしは慌ててその場を飛び退き身をかわす。
転がり込み、起きあがりざまに矢が放たれた方向を見渡せば、岩場の陰から出るわ出るわ、デーモンが。
どえぇぇぇぇぇっ!
まだこんなにいたんかい!
どうやらナーガとツッコミ合いをしていたせいで、見えていない敵の気配には気付かなかったようである。
あたしとした事が――うかつだった。
しかもこう数が多くなると、いくらこのあたしでもさすがに片づけるのに手間がかかる。
ああっ!あたしのゴハンが首を長くして待っているっていうのにっ!
今出てきた奴らも含めて、ざっと全部で十数匹――
一刻も早く片づけて、さっさと村に帰りたいところである。
となれば――ここはナーガを存分に使ってデーモン達を倒していった方が、あたしの手間も苦労も省けるというもんだ。
デーモン達の最初の攻撃を逆の方向に避けていったナーガの方に目をやり――
げっ!
あたしはその光景を見て唖然とする。
少し離れたところにいるナーガは、さっきの不意の攻撃に気が付かなかったのか、はたまた避けきれなかったのかは知らないが、ぷすぷすと体から煙を上げて気絶していた――
――ナーガの奴……
ったく、問題ばっかり起こしてくれちゃって……
少しは役に立ってもらわないと、あたしにばかり負担がかかってたまらない。
いや、そもそもナーガに役に立ってもらおうと考えること自体、間違ってるのかもしれないけど……。
ナーガが気絶してしまったことで、すでにデーモン達の目標は全てあたしに向かってしまっいる。
まずい、非常にまづい。
レッサーデーモン自体は、単体であるなら、天才美少女魔道士たるこのあたしにとっては何らたいしたことのない雑魚である。
ただ、数が多ければ多いほど、片づけるのがめんどくさい事この上ないのだ。
いくら奴らの攻撃が単調だからと言って、一人で複数の奴を相手にするとなると、その負担はかなりのモノになってしまう。
なんとかして奴らに矛先をナーガにも向けさせなければ……。
あたしはナーガを上手く使う方法がないものかと考え込む。
しかし、こうやって考えている合間にも、デーモン達は次々とあたしの方に向かって襲いかかって来ているのである。
デーモンからの攻撃を避け、あるいは攻撃呪文で迎撃しながら、あたしはふとあることを思いついた。
そうと決まれば話は早い。
あたしは早速呪文の詠唱に取りかかる。
敵の攻撃を避けつつ、上手くタイミングを見計らい、一気に術の力を解放する。
「風魔咆裂弾!」
あたしの正面から発せられた突風が、あたしに襲いかかってきていたデーモン達を大きく薙ぎ飛ばし後退させる。
さらに――目的はもう一つ――
あたしが狙って呪文を唱えた方向は、ちょうどナーガが転がっているところである。
つまり――あたしはナーガに向かって突風の呪文を発動させたのである。タイミング良く、デーモン達が対角線上に来るのを待ってから。
さらに――そのナーガの飛ばされる先には――川――
ざっぱああああああぁぁぁぁん!
気絶していたナーガは、そのまままともに川に向かって墜落する。
そして、あたしはそのナーガのほうに向かってダッシュを掛けていた。
次の呪文を唱えながら――
ぶくぶくぶく……
ナーガが落下していった付近にちょうど着いた頃、水の底から大きな泡が吹き出してくる。
そして――底の方からものすごい勢いで水面に向かってくる影がひとつ。
ざばあああっっっっ!
「ぶはっ!げはっ!ごほっ!ごほっ!
ちょっ…と……何…が起こって……るのよ」
一体自分の身に何が起きていたのかわからないナーガの視界の中に入ってきたのは、このあたし。
右手の上に火炎球を掲げたままで。
「おはよ。ナーガ。
そいじゃ、これあげるからあとはよろしくね?」
「え?何よ?どういう事よリナっ!
しかもこれ火炎球じゃない!こんな物騒なモノ私に渡すんじゃ……」
ナーガの反論もまともに聞かないまま、あたしは手にしていた呪文の塊をナーガに託し、そそくさとその場を離れ岩陰に隠れ潜む。
そして――あたしの取る行動はただひとつ。
「ブレイク!」
っぼがごおおおおんん!
ナーガに託した呪力の塊は、あたしの合図で彼女を中心に一気にその力を解放し周りのものを呑み込んでいく。
無論、彼女もばっちりと巻き添えにしているというのは言うまでもない事だが。
「あちゃー、やっぱり水のそばだったから威力弱くなっちゃったわね」
期待していた程の効果を得られなくてちょっぴり悔しかったりして。
ま、いーか。これであたしの手間が省けたことだし。
あとは――
そうこう考えているうちに、爆発の起こった中心部、まだ煙が立ちこめていてはっきりとは見えないが、そちらの方から何やら迫ってくるような水音が。
ずばしゃあああああああああん!
豪快な水しぶきを上げて水面から飛び出てきたのは、当然ながら、ナーガである。
テキトーな位置に降り立ち、例のバカ笑いを響かせ、何事もなかったかのようにその場から歩みを進めていく。
「ほーっほっほっほ!あんな程度でこの私をどうにか出来るとでも思ったのかしら?
まだまだ考えが甘いわね!リナ=インバース!
………って、ちょっと!どこにいるのよ!リナっ!出てきなさいよ!」
あたしの姿が見えないのに気付き、とまどった様子できょろきょろと周りを見回すナーガ。
うーん、なんかこれはこれで面白いかもしれない。
だが、彼女はまだ気付いていない。何故あたしが影に隠れたままでその場から出ようとしないのか。
無論、あたしは動く気は更々ない。先程の爆発から逃れるためだけに身を潜めたわけではないのである。
あたしは最初にきっかけを与えただけ。それを肥大させたのは当のナーガ自身。
――ゆっくりと、近くや遠くの方から近付いてくる気配。
「リナってば……ん?ひえぇぇぇぇっ!」
ナーガがその事実に気付いたときには、もうすでに時遅い。
彼女の周りには、ほぼ全てのデーモン達がその攻撃目標を定めて取り囲んできていたのである。
おお、こうして少し遠くから見てみるとホントに数の多いこと多いこと。どうやったらこんなに一カ所に集中してデーモン達がうじゃうじゃと集まるのだろうか。
ともあれ今のデーモン達は、ナーガに向けて攻撃態勢を取っている。おかげであたしは何にもせず、ナーガに全部任せてこっそりと高みの見物が出来るってモンだ。
頑張れナーガ!負けるなナーガ!あたしのゴハンが待っている!せめて骨ぐらいは拾ってあげるわ。
「卑怯じゃないのっ!リナ!」
おー、慌てとる慌てとる。
外野から見ていてこれほど面白いものもそうそう無いだろう。
デーモン達は、ナーガの事情というのはいざ知らず、容赦なくどんどん光の矢を解き放っていく。
「わっきゃあああああ!」
大慌てで逃げ回るナーガ。しかしほぼ四方をやつらに囲まれている以上、それもままならない。
「……ふっ……こうなったら、わたしがこいつら全員かた……」
どがごおおおおおん。
あ、当たった。
どごごごおおおおん。
ばがごおおおおおおおん。
すどおおおおおおおおおおん。
最初の一発が当たり、ナーガの動きが止まってしまったと同時に、他のデーモン達も一斉に炎の塊をあびせてきた。
うあ、相当すごいなこれ。
立ち上がる砂煙のせいで、周りの視界は殆んど見えなくなっている。さらに大きな音が耳の感覚を麻痺させる。
奴らの攻撃は果てしなかった――
ひと通りの攻撃が終わったのか、デーモン達は瓦礫となったところを見て様子を伺っている。
――そして程なく瓦礫の下からむっくりと起きあがってくる黒い影。
攻撃を食らったはずのナーガはまったく無傷。
いったいどーゆー体してるんだこいつは……。
「ほーっほっほっほ!こんな攻撃、屁でもな……」
ぶべべしぃぃぃっ!
あ、今度ははたかれた。
体をのけぞり胸を張ったナーガを、側にいたデーモン2体が尻尾ではたきとばしたのだ。
どうやら奴らにもあの高笑いは相当うざったかった様子。
味方するつもりではないが、デーモン達の気持ちもよくわかる。
だがしかし、そのナーガにとっては些細な攻撃のはずが、何か彼女を思わせたようである。
――ぷち。
――ぞぞぞくぅぅぅぅっ!
何かの切れるような音とも言えない音。
一瞬、何があったのか自分でも分からないが、とてつもなく恐ろしい予感と寒気とも言えるような震えが体を襲う。
まままさか!
「ふっ……」
そのまさか。あたしの予感は大当たり。
どうやらナーガか完全に切れてしまったようである。
うわまずい非常にまずいっ!
こういう場合、ナーガがどんな行動に出るかは分かりきっている。
――無差別攻撃――
周りの状況なんぞは顧みず、いらん呪文をばかばか使う。
もちろん、後から自分もどうなるかということすら考えずに。
何とかしてナーガを止めなくてはいけない。
でも今あたしがナーガの目の前に現れたら……。
完全に奴らからの攻撃をあたしの所為だと断固として言い放ち、目の敵にされること間違い無しである。
だからといってこのままだと、ここら一体が丸裸になる可能性すら出てくるわけで――
今は夜。しかも、もう真夜中に近いのではないだろうか。
だがあたしは村を出てくるときにクレヴィスにこう言った。
――ごはんをそのままにして待ってて――
とゆーことは間違いなくクレヴィスたちは起きているはず。
それにあの性格の人たちのことだ。下手すれば起きて待っているだけでなく、出ていったあたし達を心配してどこか分からぬまでも外でこちらの方を見ているのでは無いだろうか。
ああっっ!それもやばい!見てないまでも呪文の音で気付いてしまう!
そうこう頭の中で思考を巡らせている間に、すでにナーガは呪文の詠唱に入っている。
――迷っている暇はない。
そう思った瞬間、あたしの脳裏の中をひとつの結論がよぎった。
デーモン達があたし達に攻撃を仕掛けてきた時点で、すでにこの騒動は村人達に気付かれている――
なんだ、ならば考える事は無駄な力を使うだけである。
今日のことは全てデーモンたちの所為にしてしまえば何も問題ない。
いざとなったらナーガの責任にすればいいのだ。実際そうなんだから。
あたしはこのまま高みの見物をする事を決意する。
「ほーっほっほっほ!このわたしを怒らせたことを後悔する事ね!」
どごおおおおおおおん!
ばがあああああううん!
ずぼおおおおおおんん!
出力最大の呪文の嵐が次々とデーモンを襲い薙ぎ倒していく。
あたしは攻撃呪文から巻き添えを食わないようにその都度ちょこちょこ動き回ってよけている。
はっきしいってそれはそれで疲れるけど……。
「ほーっほっほっほ!ほぉーっほっほっほ!」
うあ、ナーガの奴すっげえ楽しそう。
倒しても倒してもまだいるにも関わらず、止まることを知らないナーガは次々に呪文の詠唱に入っていく。
そしてしばらく攻撃呪文で暴れた後、聞こえてきた詠唱――
ちょっと待ていその呪文はっ!
「水母召!」
のわっ!
「霊呪法!」
うげげっ!
――気付いたそこには、一匹の召喚されたクラゲと、先程の攻撃で瓦礫となったその山から作り出された1体のゴーレム。
やってしまった……。
あたしが止めに入る間もなく生み出された、コントロールの効かないゴーレムがそこら中で暴れまくる。
クラゲの方は、ナーガの人望のおかげできちんと獲物を攻撃している様だが、しかしクラゲなんかで亜魔族を倒せるのかどうかが問題なのだが。
ともかくさすがにここまで来てしまうと止めざるを得ない。
あたしは仕方無しにゴーレム達を止める準備をすることにした。
ナーガの呪文やゴーレムの攻撃範囲に入らないよう気を配りながら少しずつ近づいていく。
だが――
「ひえええええええっ」
先程まであれほど攻撃しまくっていたナーガが、見境無しに暴れ回っているゴーレムから逃げているように見えるのはあたしの気のせいか?
彼女はくるりときびすを返し、今度はこちらの方へと駆け寄ってくる。
……やっぱり本気で逃げ回ってるなこいつ。
しかしナーガはここにいるあたしの存在にまだ気付いていない。
これはチャンス。
ナーガがこちらへ来るタイミングを見計らい、彼女の目の前へと立ちはだかる。
「ナーガ!」
「あっ!リナ!ちょっと貴方何してたのよ!
貴方のせいでこのわ……」
「ちょっとうるさいだまってて 眠り!」
ぽて。
あたしのかけた「眠り」の呪文にいともあっさりと倒れるナーガ。
すやすやと深い眠りについていく。
おし、これでしばらくは起きてはこないだろう。
次やるべき事は、ゴーレムを止めること。
「霊呪法っ!」
ナーガと同様、あたしはさらにゴーレムを生み出す。
「ゴーレム!あっちにいるもう1体のゴーレムに突っ込んで体当たりして!」
あたしの命令を聞いたゴーレムは、ナーガの作り上げたゴーレムに向かってまっすぐ突っ込んでゆく。
暴れていたナーガのゴーレムも、それに気付いたのか、対抗してあたしのゴーレムに向かって進んできた。
お互いがお互いに向かって行く。
どがごおおおあああんん!
――そして激しくぶつかり合う音。
同等の力で衝突したそれらは、大きな砕ける音と共にがらがらとその場に崩れ去っていった。
そこに出来たのは、尋常とは言えないほどの巨大な瓦礫の山。
朝になって遠くから見た人たちは驚くだろうが、まあそこら辺はご愛敬。
残っていたレッサーデーモンもいくらか埋もれてったことだし。
そしたら後は最後の残りを倒すだけである。
あたしはまだ生き残っている奴らを捜すためにきょろきょろと周りを見渡し――
「あ」
その場で固まった。
そう、まだクラゲが残っていたのだ。
しかもこのくらげさん、ナーガが眠り込んだあたりからであろう、デーモンを攻撃しつつも、明らかに何かとまどった様子であたふたしている。
もしかしてナーガを心配しとるのか……このくらげさんは。
――とことん訳の分からない関係である。
えーっと、どうしようかな……。
出来ればこのくらげさんにはご退場願いたいのだが、いかんせん召喚した当の本人が命令できない状況だと、どう対応して良いかがわからない。
術者がこういう状況になると、自ら消えてくれる奴も中にはいるらしいが、このくらげさんは違うようだし。
うーん、出来るかどうかは分からないけど、ここはナーガの人望とゆーのにかけてやってみるしかないか。
「くらげさん!」
あたしは思い切って召喚されたくらげに声を掛けてみる。
もちろんクラゲなんかと会話出来るなんぞ思っちゃいないが、ナーガを話に出せばなんとかなるんじゃあなかろうかという淡い期待を抱いて。
しかしそんなあたしの期待とは裏腹に、くらげさんは攻撃の手を和らげる。
――まるで、あたしの話を聞いてくれるみたいに。
まじかい。
な、なんか嬉しいようなものすごく悲しいような…。
意外なくらげさんの反応に唖然としつつも、あたしはくらげさんに向かって話を続ける。
「くらげさん、あなたを呼んでくれたナーガが、ちょっと倒れちゃったみたいなの。
ほんとはナーガに言われて帰る方が貴方はいいのかもしれないのだけど、こうなっちゃった以上、彼女は今動けない。
だから、代わりにあたしの言うことを聞いてもらいたいの。」
あたしのその言葉を聞いて、クラゲさんは徐々に動きを止めていく。
うそ……。
とことん理解不能な信じられないことが今この場で起こってしまっている。
どうしてだか分からないが、どうやらこのくらげさんは、あたしの話を聞いてくれるだけではなく、何を言っているのかというのも全て理解しているようなのだ。
これは理解した上での行動なのだろう。
もしかして、実はクラゲの中にはこんな器用な事が出来る奴もいるのだろうか。
ともあれ言うことを聞いてくれるなら話は早い。
「あなた達のおかげで敵はだいぶ減ってきたわ。あとはあたしだけでも何とかなるから、もう戻って休んで良いわよ。
ナーガのことが心配かもしれないけど、彼女は大丈夫。
あたしが無事に連れ帰るから、安心して戻っていって」
その言葉を聞いたくらげさんは、その触手の様な足に絡めていたデーモン数匹を投げ飛ばし、ずるずると引き上げていく。
――ってをい。このまま帰るんか!
しかしあたしの不安をよそに、歩いていったくらげさんの姿は徐々に薄らぎ消えていった――
なんとも奇妙な帰り方をする奴である。
でも良い奴だったなー、あのくらげさん。
さて、これでさっきの問題は全て無くなったわけだ。
残った敵の数はすでに数えられる程度にまで減っている。
結局最後はあたしがケリを付ける羽目にはなってしまったが、この程度なら問題ない。
数の少なくなった連携の取れない、単調な攻撃しかしてこない敵の群を全て倒すのは、さして時間もかからなかった――
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