2010年05月15日

闇夜の声−3−

誤字脱字は以下略。
毎回キリのいいところで調節するようにしてるけど、だんだん面倒になってきたよコレ。
小説なんだから長くていいのか?いいのか?
でも自分だったら長すぎるとめげるorz
ちょっとずつでいいよね、いいよね??




 づぶぼぉぉぉぉん。
 立ちこもる煙の中、あたしが放った魔法に直撃したそれは、動く気配を見せなかった。
 あたしの知る限り、あれはこの程度の攻撃でくたばるようなヤツじゃない。
 ――どうなったかを確かめるために、その場へと足を進めていくと、そこには何もなかった。
 ――避けた?――
 いや、確かに暗くて見えにくかったのも事実だが、あたしの目はしっかりと魔法が直撃した瞬間をとらえている。
 なら、一体どこに――
 ――声は、後ろの方からした。
「ほーっほっほっほ!とうとう来たわねリナ=インバース!」
 いつの間にあたしの後ろに回っていたのか、振り向けば、大きく胸を張ってたたずんでいる、あたしの金魚のうんちこと白蛇のナーガの姿。
 おそらく、煙とこの暗さのせいで、あたしからは見えなくなっていたのだろう。
 だが、彼女の全身にはしっかりと、火炎球を受けたあとが残っている。
 あ、やっぱり当たってたんだ……
 だが、あたしが火炎球を打ってから、この場に近寄るまでの時間はそれほどたってはいない。
 うーむ……知ってはいても、やっぱりナーガの回復の速さは人間技じゃないな……
 ――ともあれ、あたしの予感は大的中してしまったわけであって――
 さーて、どうしたもんかなー

「ナーガ、何であんたこんなところにいるのよ」
 返ってくる返事に期待なんぞできるわけもないが、とりあえずあたしはナーガに問いただしてみた。
「ふっ、知れたこと。
 私がこーやって笑い続けていれば、いつかきっとあなたが現れる、そう踏んだからに決まってるじゃない」
 ……いつかきっと……ってあんた…んな確定もできないこと言ってて、もしあたしが来なかったら一体どうすんのさ……
 などというつっこみを心の中で思いつつも、あたしは話し続ける。
「んじゃあ、こんなとこでしかも夜に高笑いかましてたのは?」
「ふっ。愚問ね、リナ。街中の、人が大勢いるところよりも、誰もいなくて広い場所の方が見つけやすいと思ったからこそ!
 それから、いくらこの私でも、一日中声を上げ続けることは出来ないから、この声が美しく響く夜に声を上げていたのよ!
 こんなふうにね。ほーっほっ……」
「それをみんな怖がっとるんじゃあ!」
 どべしぃぃぃっっ!
 あたしがフトコロから素早く取り出したスリッパは、ものの見事にナーガの顔面に直撃した。
 ――しかしまあ、ナーガの場合、街中うろついててくれた方が、すぐに見つかると思うけど……
「いきなり何するのよリナ!」
 おもわぬあたしの攻撃に、文句を言ってくるナーガ。
 むろんそんな事聞くわけもナシ。
「なーに言ってんのよ。
 あんたがそうやって、何も考えずに高笑いなんてしてるから、村の人達が怖がって困ってんのよ。
 あれじゃ、せっかくの観光地が台無しじゃない。
 どう責任取るつもりっ!ナーガ」
「どうしてこの私が責任取らなきゃいけないのよ」
 反省のカケラも見せない、いや、むしろ自分が何をしたのかすらも分かってない様子で言い返してくるナーガ。
 おまいが原因だろが。これは。
「観光地って事は、確かここら辺だと、あの料理がすっごくおいしい食堂があるっていう村のことを言ってるのかしら?」
 道には迷ったりするくせに、やけにいろんな情報を持っているヤツである…。
「そうよ」
「なら、客が減って独り占めできるじゃない」
「おおっ!なるほどその手があった……ってそれじゃ何の解決にもならないじゃないの!
 今は村の人達を安心させることが第一なの」
「あら、そう」
 何か珍しく今回は納得するのが早い。
「じゃあ、解決したら報酬が入るんだから、それでこの私のディナーをおごる事ね」
 やっぱしそれかい。
 あたしは依頼を受けたなんて、ただの一言も言ってないのにするどい奴……。
 だが、そうは問屋がおろさない。
「なーに言ってんのよ。
 だいたい、全ての原因はあんたなんだから、さっきも言ったように、ちゃんと責任は取ってもらうわよ」
「どうするつもりよ」
 あたしはきっぱり答える。
「役人につきだして牢にぶち込む」
「うっ……」
 ここへ来てナーガがまともに顔色を変え始める。
「その前に村の人達につきだしてフクロだたきにしてもらって……。
 それから……」
 etc、etc……
 ――あたしは、聞いたらいいかげん止めにはいるだろう程のむごい仕打ちを並べていった。
「リナ、わたしが悪かったわ。
 だからお願いやめて。ねっ」
 さすがのナーガも、これには耐えられなかったか、きっぱりと負けを認めた。
 ふっ。たあいもない。
「んじゃあ、村の人達にはだまっといたげるから、あんたはおとなしくしときなさいよ」
「ふっ。わかったわ、リナ。
 あ、でも、笑うのはいいわよね」
「却下」
 あまりにきっぱりと言ったせいか、ナーガはその場にしゃがんでいじけ始める。
 ええい、子供か、おまえはっ!
「あたりまえじゃない。
 いくら村からある程度距離があるからって、帰っていってあんたが声を上げたら、もしかして気付いちゃう人がいるかもしれないじゃない。
 そんな事になったら、あんたそれこそフクロよ。
 もしかしたら、あたしがさっき言った、数々の仕打ちよりもひどい目見るかもしれないわよ。
それでもいいの?」
 あたしはいやだ。
 そんな事になったら、一緒にいるあたしの身も危うくなってくる。
 ナーガなんかのせいで、あたしが巻き添えを食らうなんてまっぴらごめんである。
 ぽかぽか気持ちのいいお日様の下で、ごはんも食べれなくなっちゃうじゃないの!
「いいの?」
 あたしは念を押してナーガに問いつめた。
「それはいや……」
 しくしくと泣きながらその言葉を発したナーガは、えらくなさけなく見えた――
 

タグ:短編
posted by 飛鳥翔 at 16:08 | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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