2010年03月26日

試験的に小説を

置いてみます。短編ガウリナ。

昔のものなので色々文章の拙い点などありますがご了承下さい;;
ご興味ある方はぜひどうぞ。




Raining



 しとしとしと。
 道中、ふと降り始める雨。
 あたしたち二人はいつものごとく気ままな旅の途中、次の街へと向かっていた。
 「なんか雲行きが怪しいとは思っていたけど、やっぱり降ってきちゃったな」
 「うーん、そうね。酷くならなきゃ良いんだけど」
 かまわず歩き続けていたが、そんな願いも束の間、雨は徐々に酷く、大降りになっていった。
 「リナ、おまえさん、マントあるんだからかぶったらどうだ?」
 あたしの身体を気遣ってか、隣で歩いている彼はあたしにむかって濡れないように促す。
 「いいわよ、もう次の街までそう遠くないし。
 それに濡れてるのは頭だけよ」
 「そんな事言ったって、そんな状態で歩いていたら風邪ひいちまうぞ」
 彼は自分のことは棚にも上げずあたしのことばかり考えているようだ。
 「ったく、それはお互い様でしょ?
 あたしだけじゃなくて、ガウリイ自身はどうなのよ?」
 「あ?俺?あー・・・・ま、なんとかなるだろ?」
 やっぱりそうだ、このひとは。
 自分はどうなっても良いのだろうか?
 「人のこと心配するのも良いけど、自分のことも考えなさいよ。
 とにかく、ガウリイだって濡れてるのに自分だけマント被って防護してるのはあたしが嫌なのよ」
 「なんだよ、そんな事。俺は気にしないから心配するなよ」
 「貴方が気にしなくても、あたしが気になるの」
 「心配性だなー。おまえさんも」
 「それもお互い様ね」
 「はは、そうかもな」
  お互い様というその言葉にあたしもガウリイも苦笑いをする。
 「よし、わかった」
 何がわかったのか、考え込む時間もとらず彼は呟いた。
 「何がわかったのよ?」
 「えーと、そうだな・・・あ、あそこがいいか。
  行こうぜ、リナ」
 「?」
 ガウリイが差した所は道沿いにあった少し大きめの木の下。
 少し雨を避けられるその場所に着き、あたし達は服や体に付いた水気を払い取った。
 「リナ、ガード取ってマント外しな」
 「はい?」
 一体いきなり何を言い出すんだこいつは・・・。
 「それ使わないと話になんないんだよ。ほら、早く」
 促され、渋々マントを外すあたし。
 頭の上を覆い被さっていた葉の間からぽたぽたと滴が落ちて体に当たる。
 冷たいんだけど・・・。
 「すぐだから、ちょっと我慢して待ってな」
 あたしからマントを受け取ったガウリイはそう言うと、まだ濡れていたその黒いマントをばさばさっとはたき、それをまたあたしに手渡した。
 「ほらよ」
 「ありがと。んで?それだけ?」
 「んなわけないだろ。
  で、それもっておまえさんは俺の背中におぶさるんだよ」
 そう言ったそばから既にガウリイはしゃがみ込んであたしをおぶれる体制になっている。
 なんとなく、彼のやろうとしていることがわかってきた。
 「ガードは持ってくれるんでしょーね?」
 「ああ、持ってやるよ」
 いちおう確認してから、あたしは彼の背中に自分の体重を預けた。
 「よっ・・・と」
 ガウリイは片方の腕であたしの体を支え、もう片方でショルダーガードを抱えて立ち上がる。
 「んじゃ、おまえさんはそのマント上に持って俺の頭まで被るようにしてくれな」
 「おーけい」
  ガウリイが支えてくれてはいるが、バランスを崩して倒れないように気を付けながら、あたしはマントを持った両手を上げて自分たちの頭が被さるようにする。
 しかし・・・。
 「腕が痛い・・・・肩もいたひ・・・」
 それもそのはず、ただでさえ腕を上に上げっぱなしの状態は辛いものがあるのとゆーに、おぶさっているとはいえガウリイの身長を考えると、結構な高さまで腕を上げなくてはいけないのだ。
 「辛かったら俺はいいぞ」
 自分で提案したくせに、やっぱり自分のことはどうでも良いらしい。
 だからってその言葉に甘える気もあたしには更々ない。
 「耐えるわよ、街に着くまではね。
 その代わり、着いたらほぐしてしてもらうから覚悟しておきなさいよ」
 「・・・うそだろ?勘弁してくれよ」
 「だめ」
 「はいはい、わかりましたよ、お嬢様」
 「ちょっと、子ども扱いしないでよ!」


 雨音に混じって声を響かせながら、あたし達はそのまま進んでいた。




posted by 飛鳥翔 at 16:42 | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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